病原体

口唇ヘルペスは、その名の通り口唇(くちびる)に生じるヘルペスウイルス感染症のことです。ヘルペスウイルスによる感染症は世界的に広く知られているため、一般的にも名前や症状を知っている方多いとされます。実際に感染者も多く、実はなったことがあるという方も少なくありません。

簡単に感染するものなので、誰がいつなるかは分からないのです。現時点で口唇ヘルペスの症状や感染がある方も無い方も、参考程度に学んでおきましょう。

口唇ヘルペスの原因はウイルス感染?

口唇ヘルペスは、ヘルペスウイルスと呼ばれるウイルスを病原とします。すなわち、ウイルスを原因とした感染症の一種です。ただし、伝染したから発症するといったことではありません。伝染した際に免疫力や抵抗力が低い状態にあると、症状が引き起こされます。そのため、風邪・熱・紫外線・疲労・胃腸の不調・外傷・老化といったものを誘因とします。

誘因には、薬剤も含まれます。指摘されているのは、ステロイドや免疫制御剤などの薬剤です。これらの投与により免疫力や抵抗力が低下し、口唇ヘルペスの伝染後発症率を高めると言われています。一般的に多い誘因はストレス・疲労・風邪であり、これらは内的な抵抗力も低下する状態であるため注意が必要です。

口唇ヘルペスの特徴は、一度感染すると症状が引いた後も体にウイルスが留まり続けることです。留まる位置はリンパ節で、上記に挙げたような誘因が生じた時に増殖して再発する可能性があります。つまり、症状の完治はしますが、病原が体から消えることはないということです。病原が留まるという言葉は恐ろしいものですが、大人なら基本的には命にかかわりませんので安心してください。

また、ヘルペスという言葉は一般的に性器ヘルペスのイメージも強いと言われています。そのために口唇ヘルペスに対して偏見を持つ方もいますが、口唇ヘルペスの伝染は性的でない接触でも起きます。感染者の分泌物が非感染者の粘膜に触れたなら容易く伝染し、同じトイレ・タオル・グラス・箸などを使うだけで伝染します。ヘルペスウイルスがある場所を触った後に口を触る、といったことでも伝染は容易です。

親などの身近な人が感染者である場合は、乳児期から大人になるまでの間に知らぬ間に伝染していることが多くあります。乳幼児期には症状が出ないことも多いため、気付かれないケースも多いようです。親に更新ヘルペスの症状がみられる時は、その子も注意が必要です。

以上のことから、口唇ヘルペスにかかっていることを性的なイメージと結び付けて偏見しないようにしてください。もちろん、性器ヘルペスの場合も同様です。乳幼児期から現在までの間に単純接触で感染している可能性を考えると、決めつけと偏見は大変酷なことです。口唇ヘルペスは見たから分かりやすい症状が出るため、知識に基づく理解が必要であり、基本的な知識もないのに否定してはいけません。

口唇ヘルペスの症状とは?

口唇ヘルペスの最も分かりやすい症状は、唇の周りに水ぶくれ(水疱)ができることです。患部の腫れ・熱い感覚・かゆみなど、不快症状も現れます。水ぶくれができる前には特有の違和感が生じると言われていますが、ピリピリ感・チクチク感・ムズムズ感など間隔には個人差があります。再発を繰り返している方は、生じた違和感を口唇ヘルペスの前兆と認識できるようになることが多いようです。

具体的に症状の流れを表すと、まず始めに唇周辺に違和感が出始めます。人によっては、軽い痛みにも感じられるでしょう。そういった違和感から半日ほどで腫れが生じ、赤みを増してきます。その後2日から3日後に水ぶくれが出てきて、数日あるいは数週間でかさぶた(回復期)となります。

回復期までの期間はあくまで一般的なものであり、感染者の持つ抵抗力と免疫力の程度によっては1ヵ月からそれ以上かかることもあります。2週間以上引かない場合には、治療のために病院で診てもらった方が良いでしょう。しかし、2週間以前でも不快感・痛み・見たからの問題が気になるなどの理由で診てもらう方は少なくありません。口唇ヘルペスの症状に慣れがない場合は、とりあえず受診した方が無難です。

口唇ヘルペスは再発するものですが、その周期は一般的に年1回から2回と言われています。そのため、1年の間に2回以上の発症や再発があった時には、免疫力や抵抗力が落ちている現れとなります。生活習慣を見直し、外部に影響されず疲労やストレスを蓄積させない思考と、意識を身に付けるよう心がけてみましょう。

口唇ヘルペスが命にかかわることは基本的に皆無に近いとされますが、その症状は大変不快なものです。見た目にも現れることから、違和感や不快感に堪えられてもそれ以外の問題で悩む方もいます。感染者には伝染を防ぐ意識を必要としますが、治すためにも余分なストレスは不要です。

病原は留まり続けても、表に現れる症状は決して治らないものではありません。余分なストレスや疲労を軽減させる必要があるため、症状が引くまではよく考えて予定をたてた方が良い場合もあるでしょう。変更不可能な予定であるなら、マスクなどで対策をしながら意識的にストレスと疲労の軽減・解消を行いましょう。